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重症化ギリギリまで動ける肺炎…勉強不足だった

コロナウイルス感染症(肺炎)が「急に悪くなる」と言われていたけど、こういう理由か…と、今ごろ知った。恥ずかし。

4月の記事から引用します。「10日間救急治療室で患者を診た医師の見解」とのことです。

驚いたことに、私が見た患者のほとんどは、1週間ほど前から発熱、咳、胃もたれ、倦怠感などの症状が出ていたが、来院するまで息切れは感じていなかった。肺炎は明らかに何日も続いており、来院した時はすでに重体になっていることが多い。

救急科では、さまざまな理由で重症患者に呼吸管を挿入する。しかし、私の30年の経験では、緊急挿管を必要とする患者のほとんどは、ショック状態にあるか、精神的に混乱しているか、あるいは、息をするためにうなり声を上げるかしている。急性低酸素症のために挿管を必要とする患者は、多くの場合、意識を失っていたり、呼吸をするためにあらゆる筋肉を使っている。だが、新型コロナ肺炎の症例はまったく違う。

私が診た新型コロナ肺炎患者の大多数は、トリアージ時の酸素飽和度が著しく低く、一見通常生活を送れないような状態なのに、挿管の準備をする時でさえスマホをいじっていた。呼吸は速いし、胸部レントゲンでは危険なほど酸素濃度が低く、ひどい肺炎であったにもかかわらず、見た目には比較的最小限の苦痛を抱えているだけだったのだ。

なぜそうなるのか、私たちはようやく理解し始めたばかりだ。コロナウイルスは界面活性剤物質(サーファクタント)を産生する肺細胞を攻撃する。この物質のおかげで、肺の中の肺胞は呼吸の合間に膨らんだ状態を維持できる。サーファクタントは、肺が正常に機能する上で重要な物質だ。

新型コロナ肺炎の炎症が起こり始めると、肺胞が虚脱し、酸素レベルが低下する。それでも当初は、肺はこの状態に適応し、硬くなることも、液体を貯めることもない。この状態であれば、患者は二酸化炭素を排出できる。二酸化炭素が蓄積されなければ、患者は息切れを感じない。

患者は血中の酸素が低下するにつれ、より速く、深く呼吸をするようになる。無自覚に、だ。この無症候性低酸素症とそれに対する患者の生理的反応によって、炎症はいっそう進み、より多くの肺胞が虚脱する。ついには肺炎が悪化して、酸素レベルが急激に低下する。患者が激しく呼吸することで、いっそう肺を傷つけているわけだ。

コロナ「突然重症化した人」の驚くべき共通点
10日間救急治療室で患者を診た医師の見解
東洋経済オンライン(The New York Times)
2020/04/24 16:10

苦痛が自覚できないのは恐ろしい。知らない間に気持ちが悪くなってしまう熱中症よりも自覚が難しそうだ。「暑い、暑い」と言っている間になってしまうものの、症状はよく知られた症状が出るから、気づきやすい。

症状が知らされていないのは、臨床症状にばらつきがあるからだろう…? それでも、臨床症状の幅広い知識が受診のきっかけには必要だ。

あ、受診体制を確立する気が政府にないからか。受診させたくないのか。道理で厚生労働省のサイトには症状のまとめがない(とても見つけづらい)のか。雑で中身のない文章から誤魔化そうという意思が強く感じられるサイトだ…なんて政府だ、日本は。誤魔化すスキルさえ低い。

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