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京都市のパートナーシップ制度が2020年9月1日から始まった

記事を見かけたのでざっと内容を見てみました。そしたら…どうにも京都市の書類に「不備」と思わざるを得ないような問題点が見つかりました。「法的効力がないからと、京都市はおざなりに作ったんだな」と感じました。

勘違いに気づく前の考察

指摘に先立って、勘違いに気がつくまでのわたしの考察を書きます。


まず、最初に読んだ「パートナーシップの開始」を報じた記事を引用します。

京都市の場合、対象者を「2人のうち片方が市在住で、性的少数者であれば利用できる」と規定した。

性的少数者共生への一歩 京都市、1日から「パートナーシップ」制度
京都新聞 2020年8月31日 15:30

「性的少数者であれば利用できる」とあって、京都市のパートナーシップ制度のページと手引きにもこう書かれています。

制度の概要

 この制度は,双方又はいずれか一方が性的少数者である二人が,互いを人生のパートナーとして,日常の生活において相互に協力し合うことを,市長に宣誓し,市長が受領証等を交付するものです。

 京都市は,お二人の思いを尊重するとともに,お二人が互いを人生のパートナーとして認め合い,自分らしく,いきいきと生活されることを応援する趣旨で,この制度を開始しました。

京都市パートナーシップ宣誓制度について

この制度は,双方又はいずれか一方が性的少数者である二人が,互いを人生のパートナーとして,日常の生活において相互に協力し合うことを,市長に宣誓し,市長が受領証等を交付するものです。

京都市パートナーシップ宣誓制度の手引き(PDF形式)

ところが、PDFの要綱では、宣誓の対象者の要件としてこう書かれています。

※PDFはパートナーシップのページの下の方にあります。

(宣誓の対象者の要件)

第3条 宣誓をしようとする者は,次の各号のいずれにも該当する者とする。

(1)双方が,ともに民法に規定する成年に達していること

(2)双方又は一方が,現に本市の区域内に住所を有していること

(3)双方が,ともに現に,婚姻しておらず,かつ,宣誓しようとする相手方以外に事実婚の関係にある者又はパートナーシップを形成している者がいないこと

(4)宣誓をしようとする者同士が民法第734条から第736条までに規定する婚姻をすることができない者同士の関係(宣誓をしようとする者同士が養子縁組をしている又はしていたことにより当該関係に該当する場合を除く。)にないこと

京都市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱(PDF形式)

確かに手引きには記事のとおりに書かれているけど、要綱の「対象者の要件」には書かれていない。

この食い違いがおもしろい。制度を作ったきっかけは「趣旨」で、制度の対象者は「要綱」に定められている。これまでのパートナーシップ制度の一般的な議論は押さえていないので想像すると、「性的少数者であることを証明させること」は不毛、または、証明できないことで対象者を限定するのは不当だという判断が為されたのかもしれない。

趣旨と要綱の違いの意味は記事に書いてほしかった。

でも、問題点をらぎさんのコメント付きで紹介しているのはいいですね!


と、最初は上記のような好意的な解釈をしていました。

ところが…。

あれ? なんかおかしいな…

ここまで書いたところで、要綱の半分しか読めていなかったことに気が付きつました。余白が大きすぎて終わりかと勘違いしました。末尾にちゃんと提出書面が載っていました。「なんで提出書類が載ってないんだろう」と不審に思っていたので、安心しました。

さて、要綱の後半に書かれた「宣誓に関する説明書」には以下の記載がありました。

双方又はいずれか一方が性的少数者である二者の間の関係であること

京都市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱(PDF形式)

なんだ、やっぱりシスジェンダー同士じゃダメじゃん。

記事にはこうもある。

戸籍上の同性カップルに限定する自治体もある中、トランスジェンダーなど戸籍上男女のカップルになり得るケースにも配慮した。

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーであることを明かさないと使えない、カミングアウトを当事者に強いる典型的な瑕疵のある制度なのでした。

一橋大学アウティング自殺事件を記者は覚えていないのだろうか? 使うことがカミングアウトに繋がる制度は、アウティングによる被害と加害を無視している。日本社会で「バレる」のは、まだまだ危険だ。

さすが角川大作市長、保守的かつ差別的な制度を作ってくれましたね!

一刻も早く改善されることを望みます。

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