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科学だけでも哲学だけでもなく

「脳科学が進展すれば人間への理解が進む」と無邪気に思っていた頃もあったけど、目に見えないものへの考察を重ねるにつれてそんな単純な話ではないとわかってきて、今は全然そんな風には思わなくなった。

少なくとも、脳と肉体の関係だけで話は済まない。このことは誰にでも理解してもらえると思う。例えば「こうすれば鬱は治ります。あなたはまた働けます」と言われたら「治るのはありがたいけど、鬱になった原因が変わらないなら、解決にならないな」という場合。これがそれ。脳を理解して操作することができたとしても、真の解決にはならないことは少なくなさそうに思える。

もう一つ書く。「人は自主的かつ能動的に働かせる方がいい奴隷になる」という理論があって、現代の資本主義社会に組み込まれている。この理論は、紛れもなく「人間への理解」に裏打ちされている。こんな風に、人間への理解は悪用され得る。理解が進むほど詐欺の手口のようにより巧妙になると思う。

「経営者はみんなそんな理論に基づいて人を雇っているか」と言えば、たぶんそんなことはない。「あの人はよくやってくれているから、来月から給料を一万円増やしてあげよう」と思うことはあっても「あの奴隷の働きぶりは報酬を一万円増やせばよりよく維持される」などとは考えないはずだ。「はずだ」と言うのは、現代日本ではふつう被雇用者のことを奴隷とは呼ばないから。もし経営者がそんな言い方をしたら直ちに糾弾されてしまう。

話がそれた。

脳への理解が進んで「人は訓練すれば超能力が使える」とわかったとしよう。透視とかテレパシーとか念力とか、目から破壊光線が出せるとか、とにかくすごいことができると判明したら?

……そんな軍事機密がおいそれと公表されるわけはないけど、うっかり者かウィキリークスにネット上に公開されてしまったとする。論文がたくさんコピーされてテレビでも流されてしまった。

政府はどうするだろう?

たぶん、物を壊したら器物損壊罪、人を殺したら殺人罪、機密情報を漏らしたらナントカ罪、と、警察を使って捕まえられるだけ捕まえまくる。

超能力者になる方法を頒布すると違法だということになって規制されるし、Googleはコロナワクチン懐疑論よろしく検索結果から外すから、調べるのも難しくなる。

とは言え、破壊光線を操れるようになった犯人が逃走して、世間を騒がすようになった。テレビは街に猿が出た時のように連日連夜報道する。

……。

科学とは何か

荒唐無稽な想像だけど、効かないばかりか有害なワクチンが全人類に強要されている世界を見ていると、少し想像力を働かせたぐらいでは現実に起きることには及ばないと理解してしまうので、まあいいかと思ってしまう。

言いたいことは「脳への理解がいくら進もうと、何か問題が起きる」ということ。

「脳」を「宇宙」に置き換えてもたぶん同じ。何だっていい。歳を取らなくなる方法や時間を巻き戻す方法でもいい。

「科学がすべてを解明したらあらゆる問題は解決する」

こう考えている人に「それは違うよ」と気づかせたい。永久に問題を作るのが科学であって、問題を終わらせるのは科学の役目ではない。

とは言え、科学がまいた種は科学が刈り取ってほしい。環境中に拡散した放射性物質、プラスチック、精神病薬や抗生物質。他にもわたしの知らない科学の成果物の回収は、科学に頼るしかない。

過ぎたるは及ばざるが如し

人々は可視化できないものの存在を信じなくなった。逆に、可視化されたものは容易に信じてしまうようにもなった。写真や映像、数字やグラフがそれ。

わたしの考えでは、人は目に見えないものを軽んじすぎた。科学に傾倒しすぎたために、大事なものを失った(かつて心が貧しいと言われた日本人はとうとう金銭的にも貧しくなった笑)。科学を捨てるのは誤っている。科学が可能にしたことは害悪だけとは言えない。とは言え、毒にも薬にもなるから、濫用は禁物。

30歳を過ぎてから、「中庸」の思想の偉大さを感じることが増えた。古代の中国人は医学と言い哲学と言い、すみにおけない。中国だけに。

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