いやです!
トイレから戻ると、控室に通された。ベッドとソファーが置かれていて、壁の高い位置にテレビが据え付けてある。
目のクリっとした看護師さんが、表情と身振り手振りを繰り合わせてコミカルに部屋と身支度の説明をしてくれた。立て板に水なのにやっつけ仕事でもないホスピタリティ。
看護師さん) ここは控室です[控室?病室ちゃうんや]。ここには手術の後に戻って来ますので、好きに使ってください[わたしは居候か!]。体につけていて外れそうなものはここ(テーブル)に置いておいてください。ピアスとかはこの箱に。メガネは手術室までかけてきてもらっていいです。
ばーっと流れてゆく説明についていけたのは、ひとえに話すのが速い同居人のおかげ。
看護師さん) ここに手術着があります。サイズはMと3Lぐらい。この服は丈がものすごく短くて、3Lでも超ミニで、パンツが見えるぐらい短いです[いややなぁ]。首のこのボタンで留められます[そ、そうですね、だと思います]。
下にどんなものを穿くことになるかは気になっていたけど、無しとは思わなかった。手術室直結ならそら穿かさへんわ。
看護師さん) 麻酔は軽い全身麻酔でします。吸入してもらうガスがくっさいので、我慢してください。
昔、鼻の手術のときにしたなぁ。
看護師さん) じゃ、わたしは向こうの部屋に行きますので、着替えてください。着替え終わったらこのドアをノックしてもらったら、わたし来ますので。もし来なかったら「終わりました〜!」ってドンドン!叩いてください。アナログでごめんなさい😅
看護師さんがいなくなったら、部屋が静まり返った。服を脱いで、ハンガーに掛けて、3Lの方の手術着を着た。ボタンを留めた。パンツはギリ見えなさそうでほっとした。すぐ脱がされるのはわかっているのに、恥ずかしい。
看護師さんが出て行ったスライドドアの前に立って、どのくらいの強さでノックしたものか考えたものの、とりあえず軽くノックすることにした。そしたらすぐ向こう側で「はい!」と返事が聴こえて扉が開いた。そばにいるんやん……。
扉から5歩ほどで手術台。手術台に導いてくれつつ、看護師さんが説明してくれた。
看護師さん) ここに腰かけてください。ココに手を置くと穴があいてて(横たわったときに股が来るあたりの布にズボッと腕を突っ込みながら)危ないので気をつけてください。
楽しい病院だなぁと思いつつ横になると、看護師さんがメガネを預かってくれた。
先生も来た。
先生) はい、じゃあ麻酔するから、これ(ガスの出るマスク)持って。
わたし) いやです! くさいでしょ! 知ってるんです。
看護師さん) いやですって!!(爆笑)
先生) しょうがないなぁ。じゃあ持っておいてやる。1分(30秒だったかな?)で寝るから我慢して。1分で済むからいいだろう。
思ったよりくさくなかった。言われたくらいの時間で意識を失ったと思う。
「金𫞂日に金玉摘出」への2件の返信
小説みたいな文章で読んでて楽しかった!
ありがとう!
楽しんでもらえてよかった!